タクシー会社の求人情報は本当か?

タクシー会社の求人情報には、次のような威勢の良いコピーが並んでいます。

  • 配属前の研修は日給1万円支給!!
  • 免許取得費用全額会社負担!!
  • 当初32万円の給与保障!!
  • 42万円の以上の月給も可能!!
  • 年3回賞与支給!!
  • 全車最新ナビゲーションシステム搭載!!独身寮完備!!

タクシードライバーの仕事に興味がある人や、応募を考えている人の中には、「求人情報にあまりに良い事ばかり書いてあるけれども本当なのかな」と思う人もいるかもしれません。

そこで、現役タクシードライバーである私が、これらの求人情報の内容が本当かどうかお答えしたいと思います。

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配属前の研修は日給1万円支給!

この求人情報はもちろん本当です。ただし、金額は会社によって違っています。

私の会社でも、会社に入社した日から営業所に配属される前日まで、日給が1万円と交通費が支給されました。

研修期間とは言っても、入社日以降はタクシー会社の社員ですから、試験合格のための勉強も仕事とみなしています。そのため、1日の拘束時間(7時から16時等)中は、しっかり勉強をしなければなりません。

自動車教習所では、最短期間で普通自動車二種免許を取得するために、朝の8時から夜の8時までびっしりと講習が入っています。研修センターに所属している間も、朝は決められた時間までに出勤して、制服に着がえて点呼とアルコールチェックを受けて、朝礼に参加をして、時間中はしっかり勉強をしなければなりません。東京タクシーセンターでの新規講習も、4日間全て9時から17時まで研修が組まれています。

これだけしっかりと時間に拘束された上での「日給1万円」ですから、もしかすると「もっと貰っても良いのではないか?」と思う人が出てくるかもしれません。

なお、普通自動車二種免許の学科試験に落ちたり、地理試験に落ちた場合には、会社によっては合格するまでの間は「無給」だったり「金額が半分」だったりします。これは「わざと試験に落ちて合格をするまでの日給を稼ぐ」ことを防ぐ目的で決められているので、当選と言えば当然の事です。

試験に落ちてしまっては、本人にも会社にも良い事はないので、試験は1回で合格出来るように、しっかり勉強をしなければなりません。

免許取得費全額会社負担!

この求人情報も、もちろん本当です。ただし、どのタクシー会社でも条件を付けているようです。

条件というのは「短期間で退職する場合には会社に費用を弁済する」という内容です。これは、新人タクシードライバーの資格取得のために投資した金額が回収できていない、という理由のようです。

また「退職するまでの期間」は会社によって異なり、1年から2年の場合が多いようです。入社から2年を過ぎている場合には返済をしなくても良いという判例があるので、2年が最長期間になります。

会社によっては、会社と新人タクシードライバーとの間で「金銭消費貸借証書」を締結しますが、「覚書」のような文書にサインをする会社が多いようです。

なお、研修期間中に退職する場合にも、免許取得費用の返済を求められます。

当初32万円の給与保障!

この求人情報も、もちろん本当です。

ただし、金額や保証される期間は会社によって違っています。

研修期間は1万円前後の日給が支払われる会社が多いので、保障給与が始まる期間は「営業所に配属されてから」「乗務が始まってから」という会社が多いようです。ただし、この保障給与が支払われるためには、一定の条件をクリアしなければなりません。

この条件も会社によって異なりますが、「出番を休み無くこなすこと」「1日に最低でも200kmは走行すること」「無事故・無違反であること」など、普通に真面目に勤務をしていれば問題がない内容だと思います。

給与が保障される期間は3ヶ月が多いようですが、なかには1年間保障するという会社もあります。

42万円以上の月給も可能!

この求人情報も、もちろん本当です。

どうして金額が42万円以上なのか分からないのですが、このコピーはいろいろな会社で見かけます。

タクシードライバーの給料は、ほとんどが歩合給です。会社によって歩合の率や計算方法は違うのですが、業界で「賞与」と呼ばれている後払い分の給料と合わせると、ほぼ月間の売上げ金額の58%から60%が給料の金額になります。

例えば、1日5万円の売上げの人が13日勤務すると、1ヶ月の売上げは65万円で、歩合の率が60%ならば給料の金額は39万円になります。この人の1日の売上げが5万5千円に上がると、給料の金額は42万9千円になります。

ただし、このうちの5%分は(会社によって率は違います)、後払いの給与として、7月・12月・3月に「賞与」という名目で支払われるので、実際には月給は39万3千円、賞与が3万6千円、合計42万9千円となります。

この、例として用いた1日5万5千円という売上げですが、現在の1日平均の売上げは約4万8千円前後なので、平均よりも頑張らないと達成できない数字です。ところが、新人のタクシードライバーの中にも、入社して6ヶ月を過ぎることには、それまで眠っていた才能を開花させて、営業所のトップクラスの成績を上げる人が出てきます。

営業所のトップクラスの人は、1日平均で6万5千円前後の売上げがあるので、上の例では月給が46万5千円、賞与が4万2千円、合計50万7千円になります。

このように、42万円という数字が出てきた理由はわからないのですが、実際に新人タクシードライバーでもそれ位の給料を稼いでいる人はいます。残念ながら、私は平均的な5万円プレーヤーなので、42万円もの給料は手にしたことはありません。

年3回賞与支給!

この求人情報は嘘ではないのですが、一般のサラリーマンの方は誤解をする表現ではあります。

というのも、上述したとおりタクシードライバーの給料は歩合制です。一般の企業のように「年間5か月分のボーナス」という考え方はありません。

それではこの「賞与」とは何かというと、給料の一部を後払いする金額のことです。つまり、1ヶ月の売上げを基準にして算出された歩合給が「月給」と「賞与」に分けて支払われるということです。

先にお話しした「42万円以上の月給も可能!」の例で言うと、歩合率の60%のうち、1ヶ月の売上げの55%分が「月給」で、5%分が「賞与」になります。

この賞与分は、何ヶ月分かをまとめて7月・12月・3月に支払うので、「年3回賞与支給」ということになります。

全車最新ナビゲーションシステム搭載!

この求人情報は、もちろん本当です。

ただし、もしもこのコピーが「道や建物を知らなくてもナビナビゲーションシステムがあるので大丈夫ですよ」と言いたかったのだとしたら、それは違います。

東京都特別区・武三交通圏でタクシードライバーになるためには、地理試験に合格しなければなりません。それにお客さんをお乗せする都度「ナビ」を使っていたのでは、営業になりません。

やはり、タクシードライバーの仕事をするのであれば、道や建物は1日でも早く覚える必要があるのです。

「全車最新ナビゲーションシステム搭載」をしているのは本当か?と聞かれれば、最新かどうかは別として、今のタクシーはほぼ100%ナビゲーションシステムは搭載しています。

独身寮完備!

これは、私にはわかりません。会社によっては、昔ながらの「独身寮」があるらしいのですが、私のまわりには「独身寮」に入っている人はいないのです。

多くの会社では、地方から上京してきた新人タクシードライバーのために、アパートやマンションを借り上げて、寮や社宅として使っているのだと思います。もちろん寮費や社宅料は給与から天引きします。

地方から上京して来る方に「住む場所はあるので心配ないですよ」というメッセージとして「独身寮完備」という表現になっているのだと思います。

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