タクシーの業種は運輸業ということになっています。
しかし、鉄道・バス・トラック等の他の運輸業と比べると、お客様と会話をする時間が長いことが特徴です。
例えば、タクシードライバーは、お客様の受付、輸送、お会計まで1人でこなさなければなりません。場合によっては荷物の出し入れまで行います。
そのため、タクシードライバーは、小売業・飲食業といった接客業・サービス業的な対応も求められます。
このページでは、普段私が接客において心がけていることをご紹介します。
お客様をお迎えする時の対応
まずは感謝の言葉を伝える
私がお客様をお迎えする時には、大企業の受付にいる女性ように振る舞うように心がけています。
タクシーでは「いらっしゃいませ!」は変ですから、ドアを開けた時には「お待たせしました。ご乗車ありがとうございます!」という言葉でお客様をお迎えします。
これはお客様に対して「お客様を歓迎していますよ!」ということをお伝えするためです。
お客様に「お客として扱われている」と思ってもらうことが大切です。
笑顔を添えると効果抜群!
笑顔を添えることはとても大切です。笑顔で「ご乗車ありがとうございます!」とお客様をお迎えすることにしています。
そんな事出来るかよ!
と思いますよね。
私も以前はそう思っていました。
ところが、あるマナー研修で「お客様のタクシードライバーに対する評価は第一印象で決まる。そして、その評価は降りる時まで変わらない」という話を聞いて、試しに笑顔をやってみました。
そしたら、笑顔を意識した以降、接客が楽になったのです。
びっくりです!
お客様に気分良くご乗車頂くと、タクシードライバーも気持ち良く時間を過ごせます。
しかし、お客様の機嫌が悪いと、こちらも気分が悪くなってしまいます。
鶏が先か卵が先かの話しなのですが、こちらの気分が悪くなる原因は自分が作っていたのかもしれません。
笑顔は相手に「私はあなたの敵ではありませんよ」と伝える効果があり相手が心を許しやすくなるそうです。
自分の考え方がポジティブになる効果もあるそうです。
「よくお客様から文句を言われる」
と悩んでいる硬派の方は、試してみてはいかがでしょうか。
運転中はさりげなく気を使う
運転中は、基本的にこちらからお客様に話しかけることはありません。
話しかけるとしたら、信号で止まっている時に「エアコンの温度はいかがですか?」と尋ねるだけにしています。
私は人と話すのが得意ではなく、運転に集中もできないので、お客様が話しかけてきた時だけ、お話しをします。
その時にも、言葉使いに気をつけて、ハキハキと話しをします。決してお客様とタメ口で話しをしたり、友達感覚で話しをしてはいけません。
特に若いお客様の時には、気をつけなければいけません。
その他には、さりげなくお客様の様子を伺っていて、何かをしてもらいたいような時だけ対応するようにしています。
笑顔でお客様をお見送りする
お客様の目的地に到着したら「ご乗車ありがとうございました」と笑顔で挨拶をします。
そして、料金の精算の時には、ホテルのキャッシャーのように振る舞います。
ここで特に気をつけたいのが言葉使いです。最後までお客様に気持ち良くご利用頂きましょう。
後方の確認をしてドアを開けたら、最後にまた「ご乗車ありがとうございました!」と挨拶をします。
この時に、頭を軽く下げると、とても丁寧な感じがします。
良い印象を受けた人になりきってみる
先ほどから「企業の受付の女性のように」などとお話ししていますが、これは私が仕事でよく接していたので、イメージをしやすいからです。
受付の方でなく、デパートの店員さんでも、ファミレスやコンビニの店員さんでもいいので、自分が気持ち良く買い物ができた時の店員さんの様子を思い浮かべて、真似をしてみるといいと思います。
別に正解はないので、いろいろと試してみるといいでしょう。
嫌な思いをした場面は、反面教師に使えます。